近年、サウナにとりつかれ現世に帰って来られなくなったとウワサされるマンガ家タナカカツキが、ついに軽い口を開きサウナについて語り出した。サウナに関する名言が読みたいナ、と思ったらサウナ道=サ道をどうぞ。 ( 第1回から読む )
第10回 会話
前にもチラッと言いましたけど、サウナに入ってると顔見知りの間で会話が始まるんですね。だけど僕はその輪に入りません。あっちはこっちを気にしてチラチラ見てくるけど、ぜったい喋らんと決めてます。
僕は蒸し友の中では若手なんですよ。蒸しZや毛蒸しにしたってたぶん50代で少し世代が上なんです。それで話に入りづらい。
あと、彼らの内情を知るんじゃなく、想像していきたいていうのがあるんです。この人はどんな職業で何をしてるんか……そのヒントがいろいろあるわけですよ、みんなの話の中に。
サウナでの会話ていうのがまた独特なんですよ。ユーミンは昔、おしゃれな喫茶店で交わされている恋人たちの、耳に入ってきた会話を作詞に反映する、みたいなことをきいたことありますけど、そういうのとはぜんっっっっっっっっっっっっっっぜん別分野の会話。
たとえばどんなんか? ある日サウナに入っていたときのこと、蒸しZが蒸し友とおしゃべりを始めました。
「自分の墓を買おうかと思ってる」と。「墓を買いたくて寺に説明を聞きにいった、だいたい500万くらいが相場でけっこう競争率も高い」。
その中で、蒸しZはいろいろ悩んでるわけですよね。まずは石の質に悩む。だいたいが御影石、でもそれもピンキリ、やっぱり純粋な御影石ちゅうのはめちゃ高い、ふつうは混合物が入っとる、て。

次は形ですよ。蒸しZは、ま、スタンダードな形でええんやけど……と思ってる。でも「僕の知り合いは機長をやってたから垂直尾翼の形にした、これがまた実際おしゃれで」――まあ、そんな会話がなされてるんですね、サウナの中で。めっちゃ特殊でしょ?

あとは、やっぱり病気の話をしてますよね。サウナに来てるくらいだから健康にも興味があるわけですよ、彼らは。
このまえ蒸しZと毛蒸しが話してたのが、足の指の間に手の指がちゃんと入るか。「入るといいんだよね、どう、きみは入る?」て。
それで実際やってみてるわけです。おっさん2人が汗だくになって、足の指と手の指をむちゃむちゃクロスしまくってる ――全裸で。で「やった、入ったーーーーー!!!!」とか言ってキャッキャしてる。

これ、光景としては、かなりシュールですよ~~~~~~~。
サウナの猛者達のたわいない会話。
ユーミンだったら、どんな歌に仕上げるんだろうかと想像するんです。










































